卓越した大学院拠点形成支援補助金
■「卓越した大学院拠点形成支援補助金」について
広域科学専攻では、平成24年度に、文部科学省が実施する「卓越した大学院拠点形成支援補助金」を申請し、当専攻の優れた研究基盤とこれまでの実績が評価され、総額1億4,670万円の補助金が認められました。この補助金は、当専攻に所属する博士課程の学生の、学修研究環境の向上のために有効に活用されています。
1.補助金の目的は?
この補助金は、文部科学省が進めている世界をリードする大学院を構築するための教育改革支援事業の一つであり、「優秀な学生をひきつけ、世界で活躍できる研究者を輩出する環境づくりを推進すること」を目的として、「博士課程の学生が学修研究に専念する環境を整備するために必要な経費を支援する」ものです。
2.どんな大学に交付されるのか?
「優れた研究基盤を活かし、高度な教育と研究を融合する卓越した拠点」を有する大学に補助金が交付されます。補助金の申請は専攻を単位として行われ、文部科学省によって、その専攻が、「我が国の学術研究を格段に発展させる研究者を一定数以上擁し、優れた研究基盤をもっているか」、「研究活動、および教育活動の実績に卓越性が認められるか」を基準に審査が行われ、交付先となる大学と交付金額が決定されます。
平成24年10月に申請が行われ、12月に、東京大学、京都大学、大阪大学など全国24大学に対して補助金が交付されることが決まりました。広域科学専攻では、東京大学の研究拠点の一つとしてこの申請を行ない、理学系研究科物理学専攻や工学系研究科マテリアル工学専攻などとともに、補助金の交付が認められました。
3.交付される金額は?
平成24年度に交付された補助金の総額は約78億円で、そのうち、16億1,230万円が東京大学に交付されました。広域科学専攻には、東京大学全体の9.1%にあたる1億4,670万円が認められました。
■広域科学専攻における補助金の活用
広域科学専攻では、交付された補助金を、当専攻に所属する博士課程の学生が学修研究に専念できる環境を整え、より優れた研究を行える基盤を形成するために有効に活用しています。具体的には、次のような経費に使用しました。
1.博士課程の学生をリサーチ・アシスタントとして雇用するための経費(約5,000万円)
博士課程の学生が生活のためのアルバイト等に時間をとられず、学修研究に専念できるように、学生をリサーチ・アシスタント(教育や研究を支援する者)として雇用し、給与(月額20万円まで)を支給しました。
平成25年1月から3月までの3ヶ月間にわたり、当専攻に所属する博士課程99名(生命環境科学系41名、広域システム科学系27名、相関基礎科学系31名)が支給を受けました。
2.博士課程の学生がより高度な研究を行なうための機器・設備の購入(約7,500万円)
交付された補助金によって購入されたおもな機器・設備には、以下のようなものがあります。いずれも当専攻に所属する博士課程の学生によって、高度な研究を行なうために有効に利用されています。
・分光測定評価装置(蛍光寿命測定装置と絶対量子収率測定装置)
・表面形状評価装置(原子間力顕微鏡)
・共焦点顕微鏡
・誘導結合プラズマ発光分光装置
・大規模並列計算システム
3.博士課程の学生が学会やフィールドワークなどで出張する際の旅費の補助(約100万円)
博士課程の学生の研究活動を支援するために、当専攻に所属する博士課程の学生が、国内で開催される学会・研究会、あるいは国内で行われるフィールドワークや共同研究のために出張する際の交通費を、学生の申請により全額支給しました。
平成25年1月から3月までの間に開催される学会・研究会、あるいはフィールドワークや共同研究を対象に募集を行ない、当専攻に所属する博士課程31名(生命環境科学系11名、広域システム科学系9名、相関基礎科学系11名)が支給を受けました。
4.英語による大学院講義のための和書の翻訳(約200万円)
博士課程の学生を対象とした英語による講義で使用する、教科書、あるいは資料集を作成するために、エネルギー論、エネルギー政策に関する数冊の和書の英訳を専門業者に依頼しました。
以上